僕にはここ数年、悩みがあった。
それは本を読んでも読んでも、全くとまではいかないものの、身になっていない感じがしていたのだ。
ある時はアンダーラインを引いた箇所をパソコンに打ち込み、それをプリントアウトした紙を四六時中携帯していた。
何度も見返すことで、自分が大事だと思った箇所を頭に叩き込もうとしたのだ。
だが、紙が煩わしくなり、辞めた。
またある時はアンダーラインを引き、付箋を貼り、本棚へ戻すを繰り返していた。
そしてふと気になったタイミングで本を手に取り、見返していた。
だがこれも「一体なんでこんな箇所に線ひいたんや…?」ということばかりだった。
加えて、ふとした瞬間に文を思い出そうと思っても思い返せない。
で「やっぱ本はアウトプットありきやろ!」ということで、ブログを始めたみた。
だが肝心の書評記事は全く見られず、モチベーションも上がらないので、全然書いていない。
ここ数年まとまって読書する習慣が出来てきた。
にもかかわらずイマイチ身になっていないと悶々としてきたのが事実だ。
そんな折、ふとオーディオブックで聴いてみたのが「知的戦闘力を高める 独学の技法」だった。
これが目からうろこであった。
独学のプロセスや教養の重要性とジャンル、オススメの本など、面白い箇所ばかりであった。
中でも僕がためになったのは、得た情報の「ストック」の方法。
僕と同じ様な悩みを抱えている人に是非シェアしたいと思い、以下に記してみる。
情報のイケスに放り込むとは
著者の山口周氏は、我々の脳の記憶量には限りがあるため、忘れる前提でインプットしなければならないと説く。
そして得た知識は、外部にストックしておき、いつでも引き出せるようにしておくのが吉、と。
これを著者は「情報のイケス」と呼んでいた。
これにははっとさせられた。
忘れる前提でインプットしていいんだ、と。
「考える」プロセスを挟む
ここで大事なのは「考える」というプロセスを挟む、ということだ。
余談だが僕は考えるのが苦手だ。
だから質問されてもすぐ答えを求めてしまうし、「わからない」と即答することも多い。
これはもう昔からの癖だと感じている。
だが著者が推奨する情報のイケス作りには、必ず自分の思考を挟む必要性がある。
「興味深い事実」に対して線を引く。
「興味深い事実」から得られる「洞察や示唆」を思案する。
その「洞察や示唆」から得られる「行動の指針」についても思案する。
このステップを経ることで、ただ単に「重要箇所を暗記する」作業から一段上の思考のステップを踏むことが出来る。
情報のイケスの具体的な作り方
先程とも少し被るが、情報のイケスの作り方を簡単に記す。
- 本を読んでいて、「興味深い事実」に対して線を引く。
- 本を読み終わったら、線を引いた箇所を見返して「これは大事だな」という箇所に付箋を貼る
- 付箋を貼った箇所をevernoteなど後で検索出来るプログラムに転記する
- ただ単に転記するだけでなく、「興味深い事実」から得られる「洞察や示唆」を追記していく
- その「洞察や示唆」から得られる「行動の指針」についても書き込んでいく
- 最後にタグをつける
以上が大体のステップだ。
重要な点としては
・最初に線を引く箇所は特に思い悩まずに引いてしまうこと
・2回目の読書時の付箋を貼る時は多く貼りすぎないこと(著者は5から、多くても9箇所程度にしているという。理由は時間がそんなにかからないから)
・絶対後から検索出来るサービスを利用すること。著者はevernoteを使用する前はGmailを使用していたとのこと。
・タグをつけるのを忘れず。このタグ付けが、後で見返した時に意外な組み合わせを生み、自分だけのアイデアになる。
おわりに
この本をきっかけに山口周氏に大変興味を持った。
他の著書も積極的に読んでみたいと思う。