「坂の上の雲」ロスの僕が小説とドラマの違いに突っ込んでみた

「○○ロス」というものがある

ロスは損失の意味。

〇〇ロスは、ペットの死や、お気に入りの芸能人の結婚や、ドラマの最終回後に使われたりする。

結構前は「逃げ恥ロス」や「SMAPロス」などが流行った。

この当たり、直近の〇〇ロスを語れないところがおじさんなのだと痛感する

 

さて、実は僕もロス真っ只中だ

僕のロスは「坂の上の雲」ロスだ。

 

言わずと知れた司馬遼太郎先生の超長編小説で、僕は今年の1月から読み始めた。

欠点が1つだけあって、面白いんだけども長い。

 

途中何回もの浮気(読書の)をしたが、この前の土日にようやく読み終えた。

 

思えばこの1月から秋山兄弟と旅をしてきた気持ちでいた。

いよいよ日露戦争が終わり、小説は幕を閉じ、僕は虚無感に襲われたのであった。

この感じは懐かしく、かつてキングダムハーツやファイナルファンタジー10をクリアした後の放心状態に似ていた

 

さて、今年の1月に愛媛旅行の際、坂の上の雲ミュージアムに行ったのは以下の記事で書いた。

ピーチのバーゲンが安かったので1泊2日で松山を堪能してきた

 

その時はほとんど「坂の上の雲」を読んでいなかった。

しかし、どうせ旅行でいくなら、ある程度知識を詰めてから行ってみたい。

旅まで日数があまり無いと感じ、全体感をつかむために以前 NHK でやっていたドラマ版を 借りて観たのであった。

 

で、小説を読み終えて今感じることは 「おい、ドラマ。全然小説と違うやんけ」ということだ。

 

司馬遼太郎先生は生前、何度も「坂の上の雲」の映像化を断っていたと言う

それは戦争賛美と捉えられるのが何より嫌であったという。

 

それだけではなく、自分の作品をめちゃくちゃにされるという懸念もあったのではないだろうか。

「めちゃくちゃ」とまではいかないが、ドラマ化したことによって、小説の世界観はいい感じに崩れているのは否めない。

 

いろんなところで言われているし、僕らは経験として分かっているはず。

分かっているはずなのだが、やはり書籍からの映像化は残念な結果になることが多い

むしろ「坂の上の雲」は頑張っていた方だ。

その証拠に、投じた金が他の大河ドラマと比べ何倍もあるらしい。

 

だがしかし、それでも残念な点はある。

せっかくなので、今回は「坂の上の雲」の ドラマと 小説を比べて「全然違うやんけ!」というところに突っ込んでみたい

 

多少ネタバレになるので、あんまり知りたくない方は素直に「戻る」ボタンをおすすめする。

 

ちなみに「「坂の上の雲」はドラマで見るな、小説で体感しろ」が僕のシンプルな答えだ。

 

前置きが長くなったが、それでは見ていこう。

 

だんだん

ドラマ「坂の上の雲」で耳に残っているフレーズといえば 「だんだん」ではないだろうか

これは愛媛の方言で「ありがとう」という意味だ

 

ドラマではこの「だんだん」が 本当によく使われる

正岡子規演じる香川照之も、秋山真之演じる本木雅弘も、子規の妹:律を演じる菅野美穂も、 ことあるごとに「だんだん」を使う

というかぶっちぎりで菅野美穂が使っていた記憶がある

 

しかし、小説で「だんだん」が出てきたのはわずか1、2回ではなかっただろうか

記憶が定かではないが、小説読了後にドラマの「だんだん」祭りっぷりに驚いた。

 

子規の妹:律

ドラマ「坂の上の雲」では、やたらと子規の妹:律が出てくる

 

実は早々に嫁ぐも子規の看病で実家に戻ったりして、その青春を子規の看病に捧げたといっても過言ではない。

 

親友 子規の妹ということもあり、真之と頻繁に会う機会があった。

登場回数もかなり多い。

何とも言えない律と真之の距離感が微笑ましい。

それどころか、ネット上で見かけたものの中には「律さんと真之さんが結ばれたらよかったのに」といった意見もあった

 

だが、小説には全くその感じはない。

律の登場頻度は極めて少ない

小説は4巻から日露戦争に突入するので、律という妹がいたことすら忘れてしまうほどだ。

 

最後の真之が子規の墓参りに行く時は一瞬出てくるけどね。

 

睾丸を握れ

真之の少し先輩で「広瀬武夫」という軍人がいた

 

ドラマではこの人物に結構焦点があてられ、アリアズナとのやりとりも印象的であった。

俳優 藤本隆宏が演じており、結構骨太な感じで良かったと思う

 

さて、広瀬が旅順港閉塞作戦において出動する直前、部下を鼓舞するために放った言葉がある。

 

それは「睾丸を握れ!」であった

 

今から死にに行くかもしれない緊張感。

それを打破するためなのか、元々の気の太さからきているのか。

とにかくこのシーンはかなり印象に残っていた。

 

だから小説を読み進めて行く中で、このシーンを心待ちにしていた。

 

やっと旅順港閉塞作戦の場面に差し掛かった。

…あれ?普通に出動したな。

 

そう、このシーンはドラマオリジナルであった。

書を進めるうちに、気づいたら広瀬はあっけなく死んでしまった

 

逆にこの「睾丸を握れ!」のシーンを作った人は天才なんじゃないかと思った

 

一瞬で終わる好古の戦い

ドラマでは兄好古の戦いが本当に一瞬で終わる

 

秋山好古は日本騎兵の父として知られる。

日露戦争では、世界最強と呼ばれたロシアのコサック騎兵団と渡り合った

 

ドラマの記憶を思い起こすと、阿部寛が豪快に酒を飲み、戦場で勇敢に立ち向かい、砲撃の雨の中部下を助けたりする

そして、その後一瞬で戦いが終わる。

「この戦いは日本軍が勝った」みたいな感じで描写され、終わり。

 

だが、原作は違う

原作は、いかに好古が苦悩し、奮闘したかについて事細かに書かれている

 

好古は騎兵の重要性を理解し、日本陸軍の中枢に提言していた。

が、ほとんどお偉いさんには理解されなかった

騎兵の機動性を活かした策を提示するも却下されまくる。

 

それでも、何度も窮地に立たされ、なんとか生き抜いた

生きているのがレアレベルで描写されていたのだが、これをドラマではほぼ一瞬で片付けていたことを振り返ると、なんだかなあと思わざるをえない。

 

良かった点もある

上ではつらつらと述べているが、もちろんドラマ版で気に入ってる部分もある

 

ナレーション

例えばナレーション

何と「坂の上の雲」のナレーションは渡辺謙だ

冒頭の「誠に小さな国が開花期を迎えようとしている」は印象的で脳内再生余裕だ

もちろん本編には役としては出てこない

なんとも贅沢な起用の仕方だ。

 

乃木希典

また俳優陣はこれでもかってくらい豪華である

その配役は結構 賛否両論あるみたいだ

 

僕は、乃木希典を演じた柄本明氏は、本当に適役だったと思う

203高地での悲壮感などはすごいなと感じた

 

小説坂の「坂の上の雲」を読む上で、僕の頭の中では、乃木希典はずっと柄本明で描写されていた。

 

おわりに

というわけでまとめると、やはりどんなに気合い入れて、お金をかけても、書籍を映像化すると確実にそれとは乖離した作品が出来上がるであろう

このことは改めて身にしみた

 

だから本当は「古典作品等は、本を読むより気軽にDVDで映像さらった方が良い」という風におすすめしたかったんだが、決してそうは言えないことが分かった

 

ところで、今興味のあるのが山崎豊子氏著作の「不毛地帯」だ

これも、小説より先に映像で観てしまおうかなと考えていたのだが、「 坂の上の雲」を読了して思いとどまった。

 

誰か比較してたら教えて欲しい

 

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