「食うのに困らなそう」で食品の開発職を選ぶのは案外良いかもしれない

僕には、メンターとして慕っている人がいる。

 

現在は都内の某原材料メーカーで営業をされている。

その仕事につくまでは、どうやら外資系の会社で社長をしていたらしい。

 

元々、食品の開発に携わっていて、その人が開発した商品がヒット。

売上を100億円作った。

それを見込まれて若くしてチームリーダーになった。

 

何人もの 年上の部下を率いて 仕事に邁進。

その結果、社長に登りつめたらしい。

 

以前その方になぜ食品の開発を志したのか?と聞いたことがある。

 

その返答は「食うのに困らなそうと思ったから」であった。

何でも元々家が貧乏で、食うのに困った経験があったそうだ。

そこで食品の会社なら、ひもじい思いとは無縁だろうと考え、就職を決めたのだという。

 

「食うのに困らなそうと思ったから」は正直な所、全くずれていない。

食品の開発職は「食べるのが仕事」だ。

想像を絶するほど、食べる。

 

僕は転職一回しかしてないし、見てきた業界は狭い。

それでも前の職場、今の職場、知人や取引先を通じて、広い食品業界の中の一部分は知っているつもりだ。

だから僕の実体験を通したエピソードを書き連ね、「食品に携わる仕事って、まじで食うのに困らないくらいに食うんだな」ということを紹介したい。

 

この記事は食品の開発職を目指している人に贈る。

本記事で「食品の開発職に携わってみたいな」と思う人がいれば嬉しいと思う。

また逆に「志望していたけれども私には無理」とその現実を見て辞めるもよし。

どちらでも、お役に立てれば僕は嬉しい限りだ

ある小麦粉会社の話

国内でも割と規模の大きい、小麦粉を取り扱うメーカーの話。

 

近頃は「グルテンフリー」など何かと敵視されがちな小麦だが、世の人々は小麦粉を使った食べ物が大好きだ。

 

朝はパン派という人も多いだろう。

そのパンも小麦粉から作られる。

お菓子作り、クッキーやケーキにも小麦粉は欠かせない。

 

たこ焼きやお好み焼きの粉物が嫌いな人はそういないのではないか。

またうどん、ラーメンは国民食と言われるくらい皆大好きだ。

 

ざっと見ても小麦粉の使用用途は多岐に渡る。

 

さて、一例として、その小麦粉メーカーの技術営業職(麺類担当)Aさんを見ていこう

 

と、その前に簡単に技術営業職の説明を引用する。

 

技術営業(技術営業職)とは、その持てる専門知識やバックグラウンドを活用して、営業活動を行う事です。 技術営業(技術営業職)とは、その文字が示す通り、技術を営業に活かすものですから、商品の提案だけでは終わりません。 技術営業(技術営業職)とは必要に応じて、製品の設計までも担当する業務なのです―技術営業・営業技術の気になる仕事内容と必要スキル4つ

 

Aさんの顧客は、うどん・ラーメン店の経営者、企業の外食産業や日配品、冷凍食品のメーカー等だ。

 

「こんなラーメンの麺を作りたい」というような要望が来る

その顧客に対して、配合のアドバイスをしたり、商品設計を担うこともある

 

顧客へのサービス提供のため、常日頃から自社の技術を磨かねばならない。

加えて、世の中のうどん・ラーメンというものを知っておかなければならない。

そこで、店舗の社内データベース蓄積及び自身の経験を増やすため、試食が奨励される。むしろ強制と言ってもいい

 

まさに食うのが仕事

 

ただ、うどん・ラーメン食べると言っても気軽に食べるのではない

ラーメンの麺であれば、自社のどの粉を、どのような配合で、水の割合や茹で時間などをどう組み合わせるかを考える。

色々なパターンを想定しつつ、考えながら食べなければいけない

 

巷のラーメンブロガーの「…という店に行ってきました!いざ実食!…ぅうまぁぁぁぁぁい!!!」みたいなレポートとは一線を画す行為なのだ

 

しかも多い時には1日3軒ラーメン屋に行くのは普通

小麦粉のプロ、そして麺のプロとして、顧客との仕事に繋がるように、「考えて食う」という行為は日常だ。

自ずと試食の機会は頻繁になる

 

ある冷凍食品メーカーの話

次に冷凍食品メーカーを見てみよう

先の例と関わりのある、ラーメンの冷凍食品を作る会社の知人(開発職)を例にとる。

 

もちろん、ラーメンを食いまくる

 

新規商品開発の際、目標の店があれば、その店に行って食べる

流行を知るため、流行っている店をリサーチして食べに行く

 

ライバルがどんな新商品を出しているのか、あるいはロングセラーの秘密を探るべく、競合他社の商品を食べまくる

 

自社商品がちゃんと工場で品質劣化せずに作られているか、食べて検査する

 

地域性を知るために、出張先で食べまくる

 

などなど本当に食べるのが仕事だ

 

その他のケース

僕の働いている会社に近い存在を紹介してみた。

概ね、食品会社全般でこの「食いまくるのが仕事」現象は起きている

 

某グローバルな化学調味料メーカー。

エキスの開発において、それらしい味を再現出来ているか?ということで目標の味に近いラーメン屋に頻繁に行くことになる

 

加工肉で有名な某メーカー

当たり前ではあるが、加工肉を食べる機会がめちゃくちゃある

 

カップラーメンの会社も、もちろんそうだ

 

あまり詳しくなく憶測になるのだが、何かのテレビで、あるお菓子メーカーの開発を紹介された時も似たような環境なんだなと感じた

 

ただ、食品メーカーだからといって、こういった頻繁な試食があるとは限らない

僕の前職の醤油味噌メーカーでの話

研究開発職に属していても、全然このような試食をする機会はなかった

 

そう考えてみると、新規商品を当たり前に作る企業や、予算として研究開発費をちゃんと取っている会社では、必然と試食の機会も多くなる

逆に僕の前職のようなメーカーは、変に新規商品を作る必要性も無いし、そんな予算も取ってないので、例え開発職といえども試食の機会は少ないと思う

 

食品の開発で「食う」ことの良い点・悪い点

良い点として考えれば、これはもう、食べるのが好きな人にとっては天国であろう

想像を絶する程、食べまくる。

上では試食の例を挙げたが、自社商品への理解を深めたいみたいな理由で、余剰品を持って帰ることの出来る会社も多いと聞く。

 

まさに「食うのに困らなくなる」のだ

 

悪い点は、例えばラーメンばかり食ってて、健康を維持出来るはずがない

社内を見回してみると、やっぱりみっともないお腹をした同僚・上司は多い。

僕の場合、就業時間以外の栄養・運動にはかなり気をつけている

プロテインや野菜摂取は欠かせないし、ジムにも頻繁に行き、なんとか体型を維持している

 

まとめ

大企業・中小企業にかかわらず、積極的な商品開発をしている食品会社では、嫌になるほど試食の機会に恵まれる

それは流行りを探るため、競合他社の商品を知るため、自社商品の品質を確かめるため、全国の味を知るためなど様々だ

 

ただ、自分の所属する食品会社に特化した商品を食べることがほとんどなので、好きだったものが嫌いになる可能性も高い

それでもなお、食べるのが好きな人にとっては、食品の開発職なんかは天職だと言えるだろう

 

※ちなみに食品の開発職に携わって感じたギャップをまとめた記事は以下

食品の商品開発に携わってるので入社前後のギャップを語ろうと思う

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