ゴールデンウィーク前半に「明治維新とは何だったのか 世界史から考える」を一気読みしたので紹介したい

先日発売された本を、このGWに絶対に読もうと決めていた。

それが「明治維新とは何だったのか 世界史から考える」である。

 

本書を買って家に帰るや否や、一気に読んでしまった。

書評と呼べるレベルでもないが、自分の頭の整理もかねて、本の紹介をしようと思う。

本について

明治維新とは何だったのか

今年は明治維新150年だし、今「西郷どん」をやっているし、何かと明治維新ブームだと思う。

 

確かに、幕末の志士たちは皆かっこいい。

「俺たちが国を変える!!」みたいな熱い気持ちで奔走し、本当に国を変えちゃう様は感動する。

小説・漫画・映画によって語られている作品の数々が、それを物語っている。

 

では、その明治維新とはいったい何だったのか?

「幕末動乱はわかったから、明治維新というものを冷静に見てみましょう」というのが本書である。

 

数ある明治維新を語る本の中で強く惹かれた理由は2つ。

 

1つはサブタイトル。

作家の佐藤優氏は「いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編」で、こう書かれている。

明治維新は、太平天国の乱、第2次アヘン戦争、クリミア戦争、アメリカ南北戦争、普仏戦争の文脈でとらえなくてはならない。東アジア諸国の中で、日本だけが植民地化されず、帝国主義国として発展することができたのは歴史的な巡り合わせによるところが大きいからだ。

「明治維新とは何だったのか 世界史から考える」はハッキリとタイトルに「世界史から考える」とある。

これを見て、佐藤優氏が語る視点を持ったものだと判断したからだ。

 

もう1つは著者の御二方の対話形式という点。

僕の大好きな半藤一利先生と出口治明先生の対話形式なら買わない理由がない、という反射的行動で購入した。

対話形式という形なので、かなり読みやすい。

かいつまむ速読にはあまり向かない。

 

著者

僕が紹介するのも恐れ多いのだが、著者のお2人について。

 

半藤先生は「週刊文春」や「文藝春秋」の編集長を務められ、その後作家となった御方。

僕は「昭和史」で先生を知った。

非常に平易な言葉で、大変わかりやすく太平洋戦争を学べる。

軍部はもちろんのこと、天皇の様子や当時の新聞の煽りも知ることが出来る。

一読を薦める。

 

ちなみに「昭和史」の中で

司馬さんが書かなかったんだから、僕が勝手に書きますぞと写真に向かって言い、それで私は『ノモンハンの夏』を書いたわけです。

と語る「ノモンハンの夏」は先生の代表作として有名。

残念ながら、まだ僕は読めていない。課題図書としたい。

 

出口先生は元ライフネット生命保険株式会社の創業者で、現在は立命館アジア太平洋大学学長。

大変な読書家で、知の巨人としても知られる。

 

「働く君に伝えたい「お金」の教養」はお金のことを漠然としか考えてこなかった人に向けて、これまたわかりやすく説明されている。

新社会人はもちろん、学生にも読んでもらいたい。

 

また、常々出口先生がおっしゃっている「学びは人・旅・読書」には僕自身かなり共感していて、その実践に努めている。

※出口先生のおっしゃる「旅」をようやく理解できてきた、という記事↓

トルコの親日の理由と、鎖国下におけるペリー以前の外国船の上陸を知った旅の話

 

そんな敬愛する御二方が明治維新を語る、というのだから買わずにはいられない。

 

最近はもっぱら電子書籍派なのだが、あいにくこの本は電子版がない。

不満に思いつつも、外出したついでに本屋で購入したのであった。

いや、正しくは本を買うついでに外出した、かな。

 

 

あらゆる幕末志士をバッサリ

世間で認知度も高く人気の志士達を、半藤先生がバッサバッサ斬っていくのが本書の醍醐味の1つだと思う。

 

吉田松陰

例えば吉田松陰

 

僕の知り合いに○口県の塾に以前勤めていた知り合いがいる

彼曰く、その社長は吉田松陰先生を大変尊敬し、松下村塾みたいに有望な若者を育てたい!という想いで塾を経営していらっしゃるとのこと。

で、本書での松陰の話はその社長が見れば卒倒してしまうくらい、バッサリだ。

 

本書の中で半藤先生はハッキリとこう語る。

私にいわせれば吉田松陰はむしろ危険な人物にすぎないんですがね。

実際、獄中で書いた書物には「軍を整えよう!そしてカムチャッカ、琉球、朝鮮、満州、台湾、ルソン諸島を支配下に置くのだ!」ととんでもないことを書いている。

 

ではなぜ「学問といえば」といった風に神格化されているか?

それには伊藤博文と山縣有朋が関係しているという。

維新の3傑が次々といなくなってしまう。

長州勢はみんな死んでしまっている。

残ったのは伊藤と山縣。

 

そこで「維新の原動力」として吉田松陰を持ち上げることで、「最後の門下生」として彼らは彼らを権威付けることに成功したわけだ。

 

ちなみに松下村塾では、何をどの程度教えていたのか、よくわかってないらしい。

 

西郷隆盛

今「西郷どん」で話題の西郷さんもバッサリだ。

 

彼のことを半藤先生たちは「毛沢東」的だと表現する。

「永久革命家」、「農本主義者」、「詩人」という点が共通している、と。

 

だが毛沢東と違うところは「権力欲がないところ」だとも述べられている。

西郷さんはどうやら、戊辰戦争あたりでもう燃え尽きてしまった、と。

だから維新後のことは、実はあまり考えなかった。

 

反面、不思議な人物だとも語られている。

やはり人間的な魅力があったのは事実。

皆から愛される理由は、そのカリスマ性であろう。

 

維新の要は松陰でも龍馬でも無かった

では明治維新の本質を作ったのは一体誰なのか。

これが本書の主題である。

 

本書でその要は、阿部正弘大久保利通と結論付けられている。

 

黒船が来た時点で、阿部正弘の中では思想が固まっていた。

それは「開国」、「富国」、「強兵」の三本柱だ。

どうも、これで国を立て直すと決めていたっぽい。

その証拠に安政の改革で勝海舟らの開明派を登用。講武所(陸軍の前身)、長崎海軍伝習所(海軍の前身)、蕃書調所(東大の前身)を次々創っている。

 

だが39歳という若さで亡くなってしまう。

 

次に大久保利通。

先に西郷さんを理想主義的だと述べたが、対照的に大久保利通は現実主義だと評される。

 

徳川を倒し今度は攘夷だ!と沸き立つ同志らを押さえ、「富国」を優先。

外国の状況を見たほうが話が早い、ということで数多くの要員を連れ視察を断行。

 

欧米視察で学んだ大久保は小さな政府を作りたかった。

ゆえに革命の同志もどんどん切り捨てた。

そうしないと戊辰戦争で賊軍をやっつけたかわからないから。

 

だがそんなリアリスト大久保も、紀尾井坂の変で暗殺されてしまう。

 

この2人がもうちょっと生きていたら、その後の日本も変わっていただろうとさえ語る著者の御二方であった。

 

個人的に注目は

僕は本書を読んで、個人的に注目したのは勝海舟である。

江戸無血開城を決行できたのは、彼の活躍があったからだった。

 

僕はかなり歴史に疎い。

アラサーになりようやく歴史の面白さに目覚め、しこしこと本を読んだりしている。

 

勝海舟にしても「江戸無血開城なんて大仕事をやったのに、その後全然話題にのぼらへんやんけ」と思っていた。

 

もちろん、そんなことは全然ない。

日本人初の太平洋横断もしているし、坂本龍馬ら諸藩の学生を教育していたし、明治政府では参議、海軍卿、枢密院顧問をやっていた。

 

そして何より「日本人」というものを初めて意識したのはこの人ではないか、と本書では語られる。

 

無知は怖い。

本当に僕は全然知らない。ざっと調べて、勝海舟に関する読みたいもの列挙してみた

勝海舟「氷川清話」

半藤一利「それからの海舟」

巌本 善治「海舟座談」

 

これらを読んだら書評を書いてみたい。

 

※「氷川清話」は勝海舟の人間臭さがにじみ出ていて面白い

江戸無血開城くらいしか知らないので勝海舟の自伝を読んだら面白かった

 

余談:出口先生の教養の深さ

本書は出口さんが問いかけ、半藤先生が見解を述べ、それについてまた出口さんが話を広げる、という展開が多い。

 

先にも述べたが、本書は半藤先生が幕末志士達をバッサバッサ斬るのが面白い。

 

加えて、出口先生の教養の深さにびっくりする。

幕末動乱や明治維新での出来事を、あらゆる世界史の出来事や書物を引き合いに出し、持論を展開されている姿には愕然とする。

まさに「知の巨人」。

 

出口先生の本はまだまだ読めてないのだけど、ちょっと前だと「教養」というワードにひかれて以下の本を購入した。

今、僕のhontoとkindleの欲しい物リストには上の本で紹介されている本がしこたま入っている。

読むのに時間はかかるが、今年ぼちぼち消化できたらと思っている。

 

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