日本人でもこんな音楽が出来るんだ!と思ったCD gato libre”shiro ”

お気に入りのCDが見つからないということは誰にでも起こりうるのだろうか。

 

電子化電子化!とCDの電子化に昨年から励んでいる。

「転職と引っ越しに伴い、ジャズの音源を全て電子化することに決めた」

その醍醐味は大量の音源を瞬時に探せる検索性と思っている。

だが、聴きたいと思った音源が、見当たらない。

 

そのCDがgato libreのshiro

数年前ヘビロテしていたのだが、購入したものではなく借りていたものだったのか…そんなことはどうでもいいが。

 

さて、このアルバム、僕に「日本人でもこんな音楽が出来るんだ!」と一種の希望を抱かせてくれた感謝のアルバムである。

 

そんなアルバムと各々のミュージシャンの紹介も交え、本記事を進めようと思う。

僕の凝り固まっていた音楽観

僕は差別するわけではないが、音楽で人種の特徴は出てくると思っていた。

モダンジャズだと、ジャズピアノは白人だと「カーン」とか「コーン」みたいなクリアな音色が多く、黒人だと「コロコロ」「ゴロ」「ボロ」(?)みたいな丸いというか黒い音というか、何とも言葉で言い表し難い音色が多い。

例えば、前者はチック・コリアのファースト、後者はレッド・ガーランドとかのイメージ。

 

ただグローバル化のおかげか、ずいぶんそんな特徴は無くなってきたと思っている。

 

しかしというか、やはり日本人のDNA的にマッチしない音楽はあると思っている。

例えば、日本人のやるボサノヴァはイマイチだと思っている。

(余談だが中村善郎さんのボサノヴァはとっても最高だ!!)

 

僕は別にそれを悪いと言っているわけではなく、むしろそれが個性となり、音楽が面白くなると感じている。

 

そういう、凝り固まった人種と音楽みたいなのを漠然と紐づけていた。

そしてそれを見事に打ち破ってくれたのがgato libreだ。

 

びっくりしたピアノとトランペットの音

Gato libreを紹介する前に、人物を2人、ピックアップしたい。

藤井郷子さんと田村夏樹さんだ。

 

藤井さんを知ったきっかけは、ジャズ研の先輩(現在はプロとして活躍中!)が流してくれた音源である。

藤井郷子オーケストラだったか、トリオだったか忘れたが、ちょっと衝撃的であった。

ゴリッゴリ、バッキバキの演奏の中に美しさがある、と思った。

すっかりファンになってしまったのだが、それで聴き込む、といったことは不思議と当時は無かった。ただ生でライブを観れたらなと思っていた。

 

周知の事実であるがお二人は海外を拠点に、国内外で幅広く活動していらっしゃる。

ただ当時の僕は地方の田舎住まい。

中々ライブをみる機会は無かったのだった。

 

ところが、である。

願い続けるもので、その後藤井郷子さんがツアーで地方にいらっしゃった!

藤井郷子さんと田村夏樹さんのデュオ。

それはもう面白かった。

デュオとは思えない濃密な音楽体験に僕は完全にノックアウトされた。

またヤバイミュージシャンを知ってしまった、という感じである。

 

ちなみに田村さんをしっかり聴いたのはこの時が初めて。

その時印象に残っている話を2つほど。

 

めちゃくちゃ旋律の長いオリジナルの曲(曲名を失念)をされた時。

田村さんのトランペットから始まるのだが、途中で音を間違え、辞めてしまった。

「いやぁ自分で作った曲、旋律が長すぎて、たまに吹けなくて困りますねぇ」といったMC。

思わず会場が笑いに包まれた。

そしてもう一度その曲を披露。今度はバチっとテーマが決まる。そして藤井さんとのインプロが展開…

ずるい、ずるすぎると思った。

圧倒的技術と多彩な音楽性に加え、チャーミングさも持ち合わせているなんて。

田村さんにどっぷりハマってしまった瞬間である。

 

そして何と言っても、一番びっくりしたのは音のデカさである。

というのもライブを観たハコは超デッド(音が響かない)な環境にしている。

そのハコのマスター曰く「音が響くともう音楽の設計の仕様がない。デッドだとやりようが、ある」とのこと。森山威男さんがぶっ叩いても響かないように超デッドな環境を作ったのだという。

これまた田村さんのペットの音がよく響くこと。

「あーすごい…」と呟いてしまったほどである。

 

で、そのライブ終了後に物販でCDを買った(はず)。

それがgato libre shiroだった。

 

※gato libreとはなんぞや?というのは他の方々が素晴らしい記事を書いていらっしゃる。

Gato Libre / Shiro – ele-king Powerd by DOMMUNE | エレキング

Gato Libre / ガトーリブレ – MUZAK

猫とジャズ

(zu-jaさんのこの記事のギル・エヴァンスとスティーブ・レイシーのやつも本当におすすめである)

僕は僕の実体験にフォーカスしたいと思う。

 

 

最高にして二度と結成されないカルテット

帰路車内で購入したCDを早速聴いた。

とてつもない衝撃が僕を襲った。

 

哀愁が漂い、メランコリック。懐かしいような、どこか異国の民族音楽の様でもある。

独特な世界観。一体なんなんだこの音楽は…。

そして「日本人もこんな音楽が出来る!こんな音楽をしていいんだ!」と素直に思ったのだった。

 

先に述べたように、当時若僧の僕は、日本人のやる音楽には日本人感が出てしまう、と思っていた。

この音楽には、それが無かった。

 

各ミュージシャンの方々は言わずもがな素晴らしい。

しかし、良いミュージシャンを集めたからといって、決していいライブやアルバムにならない。

このgato libreは、まさに4人の音楽性が化学反応を起こし、唯一無二の世界観を醸成してしまった。

 

ただ残念ながらこのカルテットを生で観れる機会は、無い。

そしてこのカルテットでのCDももう作られない。

 

それはギターの津村さん、ベースの是安さんが残念ながら故人だからだ。

生前お二人のライブを見れたのが幸いである。

 

津村さんは最初髪の色のインパクトが強かったのだけどw

まぁなんと歌うギターなんだ、とびっくりしたのを覚えている。

以下の動画はgato libreではなく、亡くなられる前の米木さんとのduo。

定期的に見てしまい、いつも心にぐっとくるものがある。

 

是安さんは未だに僕の中でベースヒーロー。

その音色、ベースライン、独特のソロに魅了されてやまない。

 

 

いやしかし何とも、このアコースティックな感じ、旋律とアンサンブルから成る独特の雰囲気が素晴らしい。

グワっと盛り上がる!ということは無い。

が、不思議とずーーーっと聴いていたい中毒性を孕んでいる。

 

で、今も探しているが見つからない。

spotifyにも勿論無い。

他のストリーミングにはあるのだろうか?

買うか、買っちゃうか。いっそまとめて。

 

 

gato libreの音源をいくつか

gato libre クレジット

Gato Libre / Shiro

track

  1.  DUNE AND STAR
  2.  WATERSIDE
  3.  SCORPION
  4.  FALLING STAR
  5.  GOING BACK HOME
  6.  MOUNTAIN,RIVER,SKY
  7.  MEMORY OF JOURNEY
  8.  SHIRO

 

メンバー

田村夏樹(tp)
藤井郷子(acd)
津村和彦(g)
是安則克(b)

 

Recorded and Mixed on August 31, 2009 by Katsumi Shigeta at Epicurus Studios, Tokyo. Mastered on October 15, 2009 by Scott Hull at Masterdisk, NYC.

 

 

 

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