彼の音楽と、音色に関して ingebrigt haker flaten “Elise”

ingebrigt haker flaten。

彼は、今や現代最高峰のベーシストだ。

いや、ベーシストにとどまらずコンポーザー、音楽家というのが適切だろう。

 

僕が彼を知ったのは「聴いたら危険!ジャズ入門」だったか、はたまたDeath and the Flowerの音源を視聴したからか、どちらが先だったか覚えていない。

 

かの有名なdeath and the flowerはもちろんオリジナルはkeith jarrettのもの。

(death and the flowerがこのカルテットでよく取り上げられるが、このアルバムをもっと激しく魅力を高めたものがsurvivor’s suiteだと思っている)。

 

そのdeath and the flowerだが、ingebrigt haker flatenはhakon kornstadとのデュオの演奏として、独特の世界観を表現している。

これ、控えめに言ってもかなりかっこいい(本記事内で動画を貼っている)。

 

魅了され、調べてみるとEliseというアルバムに収録されていた。

即購入してびっくり、ハズレ曲のない良い作品じゃないか!

 

といった感想を持ったのが数年前。で久々に聴いてみて、このアルバムとingebrigt haker flatenを紹介し、ついでに思ったことを書いてみようと思い至ったのである。

アルバムの紹介

まずはぐっときたdeath and the flowerを以下に貼ってみる。

 

このアルバムはingebrigt haker flatenとhakon kornstadとのデュオ作品である。

ちょっと入手しにくくて数年前アマゾンからデジタルで買った記憶があるけど、今はspotifyに普通にある。

2008年収録なので10年以上前か。思ったより古いアルバムである。

 

が、全く古さは感じない。それは独特の世界観が描かれているからだと思う。

リフを刻み、そこからインプロを展開する曲が多いという印象だ。

 

ちょこっと紹介すると、1曲目は多分彼らの国の民謡と思われる。

レコードチックな音質で女性の歌が流れる。

そして2曲目はhakon kornstadのインプロが展開されつつ、ingebrigt haker flatenの1曲目の弓弾きでのテーマ、そして徐々にユニゾンにシフトしていくリフ、インプロ~と展開されていく。

スリリングでドラマチック、面白いのだ。

 

※記事作成中、以下のページを発見。

僕が数年民謡だと思っていた1曲目は、どうやらingebrigt haker flatenのお祖母様の歌らしい!

彼女の名前はElise flaten!その名前を冠したアルバムだったとは!!!

http://www.freejazzblog.org/2008/11/ingebrigt-hker-flaten-hkon-kornstad.html

 

そして何度も推しているdeath and the flower。

本家の演奏は最初の奇っ怪な笛とチーンというパーカッションから徐々に曲へ展望し、個々人のインプロへと展開される様がめちゃんこカッコイイ。

 

対して本作の該当曲は静的、かと思えば内なる熱いものを感じるといったような、二人の個性の爆発を感じる。

これもまた、カッコイイ(かっこいい以外のイカシタ表現方法が欲しい…)。

 

おまけ的になって申し訳ないのだけど、hakon kornstadのサックスは本アルバムで初めて聴いた。

その音色といい、インプロの展開や表現の仕方といい、すぐファンになってしまった。

そういえばどっかで読んだのだが、彼のサックスは独学だと言う。

ヤン・ガルバレクにしろ、世界には独学の化物が多い。

 

ingebrigt haker flatenについて

紹介と僕の思い出

彼のHPはこちら。

http://ingebrigtflaten.com

彼は1971年、ノルウェイ出身。

「個人的発見をした時の高揚感 ONJQ “ONJQ Live in Lisbon”」でも書いたが、今をときめくジャズアイドルグループthe thingのベーシストである。

その他にも自身のsextetを持っていたり、atomicというバンドだったり、怪物級のフリーミュージシャンとのデュオであったりと、いわゆる超売れっ子である。

 

収録アルバムも相当ある。

 

来日も結構していて、最近では八木美知依さんと本田珠也さんとトリオでツアーもしていた(見たかった…)。

以下の動画は海外のだけど。

 

the thingも来日ツアーを何度かしており、僕も生で聴けるチャンスがあった。

大変興奮した思い出である。

 

そしてラッキーなことには打ち上げに参加することができ、直接本人と話す機会を得たのであった。

これが、非常に楽しかった。

 

自己満足ではあるが「最も尊敬するベーシスト」と伝えることが出来た!

色々話が出来、彼は音楽大学出身なのだが、なんとその卒業研究はCharlie hadenに関して だったらしい。

また、ガット弦のサウンドが最高だ!とも言っていた。

エレキ弾くんですね!と伝えたら「何言ってんだ、俺のベースの始まりはエレキからだぜ!」とも言われた。

他には「日本のベーシストって誰がいるの?」と聞かれて、アケタ系ミュージシャンばかり挙げたのも記憶に残っている

(この時改めて自分の音楽性の偏りを再認識した)。

 

翌日普通に仕事だったのだが、無理をして隣県まで車を飛ばして見に行ったライブと記憶している。

だがthe thingの演奏だけでなく、ingebrigt haker flatenの温かい人となりも知ることが出来、ますますファンになってしまった出来事であった。

 

作品について

彼の音楽性は素晴らしく、メロディアスな曲もガチフリーも全然イケちゃう。

比較的聴きやすいのは紹介してきたElise

あとはden signede dagというアルバムも聴きやすくて良い。

特に2曲目のsaligheden er os nærがいい感じ(なんて読むんだろう…)。

 

自身のquintet やsextetなんかは曲をやるが、もうゴリッゴリの演奏。

 

joe mcpheeとのduoも結構面白い。

あとはやっぱりthe thingか。

ここまでくると心地よいグワングワンの世界が広がる。

最近ではjames blood ulmerとも共演のbaby talkも。

 

音色の考察

eliseを流しながら記事を作成しているのだが、「音色」は重要な要素だと再認識させられる。

 

音色とジャズの関係は面白いもので、例えばジョン・コルトレーンの音色などは吹奏楽の友人に言わせると「上ずっている」のだが、僕はその音色こそが彼の個性の1つだと認識している。

音色は不思議なもので、強烈な個性があれば何の楽器を弾いてもその人の色が出てくる。

 

僕の大大大好きな松風鉱一さんは、吹ける楽器ならば何でも吹くんじゃないかというくらい のマルチリード奏者だ。

アルトを吹いても、テナーを吹いても、フルートを吹いても、バリトン吹いても、クラリネットを吹いても、松風さんの音というものがある。

ちなみにマルチリード奏者具合を楽しみたいなら渋谷さんとのduoがおすすめかな。

 

僕は音色を結構重視していて、音色が好みじゃないとその人の音楽を聴く気になれない。

ほんでeliseの話に戻ると、両者とも音色が非常に僕好みなのだ。

特にingebrigt haker flatenの音。

ガット弦を使用していて、なおかつ彼が弾くからこそ、あの音が出る。

haden、是安さん、齋藤徹さんingebrigt haker flatenしかり、僕の好きなベーシストはガット弦を使っていることが多い。

ガット弦はよく管理が大変とか、ピッチもめちゃ狂うと言われるが、あの高音で鳴る独特の木のサウンドは「最高」の一言だ。

 

ただ弦を張っただけでは僕の尊敬する方々に1mmも近づけない(当たり前だ)。

また、ある人の音色が好きとは言っても、特にベースの場合、指の肉質で音色が決まっちゃうと色々なとこで言われている。

タイム感もビートもピッチもへなちょこな僕は、せめて1音弾いて「いい音色ですね(^^)」と言われるくらいのハッタリをかませたらと思う(白目

 

糸冬

1 Comment

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