1月某日。とある平日の夜。
一日の疲れをホットウイスキーで癒しながら、スマホをいじっていた。
するとピーチから48時間限定セールの知らせがきているではないか。
関空からわりと近いとこに住んでいるので、これを機にちょっと旅行してみるか、という気分になった。
さすが限定バーゲンセール。
人気観光地の便から売れているみたいだ。
残っているのは…松山のみ!
実をいうと、四国には行ってみたいとずっと思っていた。
行きたい所があって旅行を計画する人が大半だろう。だが、行き先だけ決まっていて、後から日程を埋めるのも面白いかなと思い、すぐチケットを購入した。
こうして突如松山旅行を決行することになった。
目次
結論
大阪から松山までの旅行はさくっとイケルのでそこそこ良い。
失礼を承知で松山には何があるのか
大学のジャズ研時代にとても仲がよかったS君。
彼は愛媛県出身だった。
独特なアクセントを持ったしゃべり方で、僕史上初めて接する四国人であった。
そんな彼に、松山に何があるのかを聞いてみた。
あぁ、そういやじゃこ天がやはりおすすめ
…結局得られた情報はじゃこ天と道後温泉くらいであったw
もっと調べようとぐぐってみると「坂之上の雲」のゆかりの地ではないか。
僕は日本の近現代史が大好きだ。維新を経て近代国家の仲間入りを果たそうとする明治も面白いし、先の大戦へ突入してしまった昭和史も興味深い。
はてさて、愛媛の松山は、日露戦争においてバルチック艦隊を破った東郷平八郎の参謀、超天才秋山真之の故郷だったわけだ。
実を言うと僕は「坂之上の雲」も読んだことがなかったし、秋山真之についても正岡子規・夏目漱石の同級生だったこと、二・二六事件で倒れた高橋是清に教わっていたこと、抜群の勘を持つ超天才だったことくらいしか知らない。
これは…!と非常に気になったので「坂の上の雲ミュージアム」は絶対に行くことにした。
ちなみに予習として坂之上の雲のDVDを軽く見た。
その他にも自分の興味がありそうなとこをちょこちょこピックアップして、松山旅行当日となった。
実際に行ってみた1日目
空港
年末年始以来の関空だ。
ピーチの関空KIX発、鹿児島空港行は南海線の始発で間に合うか
関空行きの電車や空港内に人は多かったが、それでも年末年始のあの人ゴミを思い浮かべると、かなりマシであった。
飛行機も遅れることなく出発。
搭乗から降りるまで約1時間。
松山空港は思ったよりも大きくて、故郷の鹿児島空港よりも清潔感と活気があった。
みかんジュースが出る蛇口が気になったが、時間が無かったのでスルーし、目的地にバスで向かうことにした。
事前の調べで、松山は鍋焼うどんが有名との情報をゲットしていた。
うどん研究家としては見逃せないなと思い、老舗の「コトリ」と「アサヒ」へ向かうことにした。
大街道
空港からのバスで松山市駅に降りた。
そこから商店街を突っ切って目的地へ向かう。
後から知ったことだが、その商店街は「大街道」といい、メインストリートとのこと。
坂の上の雲でも何度も出てきた。
故郷鹿児島にも栄えた中心地「天文館」があるが、そこよりも全然栄えていたw
コトリ
https://tabelog.com/ehime/A3801/A380101/38000037/
バスを降りて歩いて約十五分。やっと目的地付近に着く。
いざ!と店の前に行くと、残念ながら閉店していた。
品切れだろうか。むちゃくちゃ残念であった。
アサヒ
気をとりなおし、アサヒへ。
https://tabelog.com/ehime/A3801/A380101/38000348/
グーグルマップで検索すると、かなり近い!
20秒くらいで着いてしまった。
そして…こっちは開いている!早速入店した。
中はずいぶんレトロ。そして事前の調査どおり、メニューはいたってシンプル。
鍋焼うどんを注文。5分も経たずにすぐ鍋焼が運ばれてきた。
実食。…あっめぇ!甘すぎるぅ!
南九州人もびっくりの甘さである
(九州は甘口文化で、特に故郷の南九州はその傾向が強い)
出汁はいりこメインか。
節感はぜんぜんない。
透き通っているので薄口醤油と塩で調味しているのだろうが、なんといっても甘い!!!!みりん様の甘みじゃなかったから、単純に砂糖がっつりかな?と思った。
麺はチルド麺を思わせる柔らかさ。
僕はうどんの麺に関してはストライクゾーンがむちゃくちゃ広く、讃岐系ももちろん好きだが、ブヨブヨしたのも大好きなのだ。
具は牛肉(これがまた甘い)、ちくわスライス、薄かまぼこスライス2枚、アゲ(甘い味付け)、こねぎ、さつまあげ?
甘い甘いとは聞いていたけれど予想以上であった。
すし丸本店
Dancyu1月にて松山のもぶり鮨が紹介されていた。
事前にS君に聞いたところ全然知らなかったので、観光客向けなのかな?と思ったけど、あのノボさん(正岡子規)も好物だったらしいし、「坂之上の雲」でもしょっちゅう食べるシーンがあったので、食べてみようと決めていた。
dancyuに載っていたすし丸本店に行ってみた。
https://tabelog.com/ehime/A3801/A380101/38000031/
老舗感のある、まさに鮨屋といった店内の雰囲気。
もぶり鮨、鯛そうめん、じゃこ天を注文。
もぶり鮨は酢でしめた魚の刺身を混ぜた、酢飯である。
これも甘めの味付け!なんとなく、予想通りの味であった。
鯛そうめんは出汁と、梅(これも甘く煮ていた!)から出るほんのわずかな酸味がいい味していた。
じゃこ天は僕の好物で、S君が帰省の度に買ってきて、それを肴に酒を飲んでいた。
やっぱ美味いよ、じゃこ天。
秋山兄弟生誕の地
さて、お腹もパンパンになったところで、坂之上の雲ミュージアムに向かう。
が、マップを見て「秋山兄弟生誕の地」というのを発見した。
http://www.akiyama-kyodai.gr.jp
これは行くしかないな、と思い、行ってみた。
行ってみると道場の横に昔風の家。
早速入ってみると、入場料をとられた。金とるんかい、と最初は思った。
だが振り返ってみると、僕は松山旅行において、この施設が一番面白かった。
ガイドさんが簡単な説明をしてくれる。
その後10分ほどのDVDを見せられ、また簡単な説明を受ける、というのが全体の流れ。
所要時間30分くらいだったかな?
正直秋山真之の兄好古についての知識はその時ほぼ無かったので、非常に勉強になった。2人とも己に真摯な人だったのだ。
馬に乗る好古さんの銅像
当時から残っているのは、この井戸のみ。
昔の写真なんかもあった。
彼らの書いた書道が一番良かったかな。ほとんどはレプリカだったけれど、手書きのものもあった。
熟慮断行
人事には憂いや楽しみがあるが、山光(自然)には古今を通じてそれは無い
秋山真之は東大にも行っていたし、何より超天才だったことから、ご利益があると銅像の手を触る人が絶えないらしい。
触りすぎて手の部分が変色している。
僕も臥薪嘗胆をスローガンに、この3年で自分の環境に大変革を起こすつもりである。
勝手な解釈だけど、彼らに鼓舞された気がした。
10ファクトリ
生誕の地から坂の上の雲ミュージアムへ向かう途中、10ファクトリーという店を見つけた。
みかんビールが置いてある店だ。
https://tabelog.com/ehime/A3801/A380101/38009077/
行く予定は無かったのだが、せっかくだから味わおうと思い、入店した。
早速みかんビールを注文。
秋山兄弟生誕地を訪れた
偉大な兄弟に敬意を表しつつ、みかんビールを味わう pic.twitter.com/oi4cBesl80
— カイドー (@kaido_shochu) January 27, 2018
気温のせいでビールが全然進まないw(当日は寒かった)
店内は商品がディスプレイをかねて陳列されている。
シックでおしゃれな空間にジュースのオレンジが映える。
店内はカップルだらけで、ハゲ・チビ・デブの三重苦の僕にとってはつらい環境であった。
肝心のビールの味だが、みかん+炭酸+アルコールみたいな印象が強かった。
もっとエールチックで、みかんがアクセントに効いているやつを想像していただけに、個人的にうーーん、という所感。
坂之上の雲ミュージアム
さて、いよいよ坂の上の雲ミュージアムだ。
感想を先に述べると、大きく期待はずれであったw
好古、真之、子規の3人に焦点をあてて、かの小説をなぞる。
かと思ったが、尻切れトンボ感が否めない。
最初の説明は詳しいが、もう日清戦争くらいになるとあやふや。
正岡子規の死とかはクローズアップされていたけど…。
展示スペース的に日露戦争までなぞれなかったか?
貴重な写真や文章などはそそられたけど。
たぶんもう行くことはないけど、あんだけ広いスペースがあるならもっと魅せられるんじゃないかと思うのは僕だけだろうか。
道後温泉
愛媛松山といえば道後温泉である。
前々からいきたいと思っていた。
その町の情景もまた風流と決め込んで歩いて道後温泉に向かったが、道中は特に何も無かったw
タクシーか市電の利用がおすすめ。
さて、道後温泉。
この施設についてはかなり漠然としか調べていなかった。
風呂が金額別で何種類かある、という程度だ。
正直、何に入ったらいいかわからなかった。
とりあえず神の湯にした。
…個人的に温泉自体は普通であったw
僕は鹿児島でも温泉が有名な地域出身で、なんなら実家で温泉に入れる(契約すると風呂から温泉が出てくるのだ!)
内装は、古さを感じることが出来てよかった。
浴場は、、、まぁ人が多かったのもあったけど、少しせまかったかな、と。
入っていないからなんとも言えないけど、霊の湯のほうが良かったかも、と少し後悔した。
あとドライヤーを使用する場合、10円とられます。
道後麦酒館
なんだかんだで湯船につかると暖まる。
1日中寒かったので、かなり生き返った心地がした。
外は暗くなっていて、道後温泉のライトアップが綺麗だった。
ブレブレの写真
温泉を出ると右手に麦酒の文字が。
https://tabelog.com/ehime/A3801/A380101/38000200/
これは行くしかねぇと入店したのである。
道後温泉ビールが4種。
全て注文してみた。
味は…まぁ普通でしょうか。
思うに、最近フルーティフレーバーたっぷりのものに偏向しているのかもしれない。
でも旅行して、ご当地のビール飲めるのは、醍醐味の1つだと思う。
通販でも買えるけどさ。
Bokke
飯をどうしようか考えていたのだが、特にピンとくるものも無かったし、下調べも不十分だったし、なんかクラフトビールが飲みたい気分だったので、検索してbokkeというお店へ。
https://tabelog.com/ehime/A3801/A380101/38010920/
なんでも2017年にオープンしたお店らしい。
お店に電話すると空いているとのこと。早速店に向かった。
道後温泉から市電にゆられ、約30分。
一角に位置するお店はガラス張りで、洒落た内装だった。
昼はカフェ、夜はビアバーという感じらしい。キャパはマックス20人くらいかな?
ちょっと勘違いしてたけど、愛媛のクラフトを常駐させているのではなく、お店側が気に入ったものをタルで取り寄せて提供、といったスタイルであった。これだったらわざわざ来なくてよかったかなぁ…と一瞬思ったが、ラインナップが面白い。
どんどん注文してしまった。
また料理も結構美味しかった。
ダイニングバー的なメニューだったのだが、経験上こういう感じの店はボリュームが詐欺レベルだ。
しかし、この店はそんなことは無く、印象としておもったより盛られてるな、という感じであった。
近所にあったら通いたい店である。
宿
直前に決めたからか、空いている宿が無かった。今回はAirbnbを利用。
僕の周りにはエアビーを利用したことがない人が結構多いのだが、おすすめである。
普通の家みたいで、気兼ねなくすごせる。
最近だとビジネスホテルより安いことも多い。
というわけで1日目が終了した。
明日は早く出ないといけないな、と思いつつ、コンビニで買った焼酎を飲みながらジャズを聴きあさり、いつのまにか眠っていた。
実際に行ってみた2日目
松山城
完全に寝坊した。
急いでシャワーを浴び、アパートを出る。
最寄の駅から市電を利用する。「大街道」で降り、東雲口駅舎ロープウェイ乗り場を目指す。
実際歩いてもいけるらしいのだが、時間のなかった僕は迷わずロープウェイを利用した。
目指すは松山城だ。
待ち時間もそこまで無かった。チケットは往復券で510円。
ロープウェイ自体の所要時間はおよそ5分ほど。
山口の岩国城ではもっと時間がかかった気がしたので、早さに驚いた。
さて、さらに坂道を登っていくと武者返しが見えてくる。
そして松山城。間近で見ると圧倒された。
時間がいよいよ無かったが、未練のあった僕は「何の見学もせずに頂上まで急いで行けば何分くらいかかりますか?」と聞いた。
怪訝な顔をされ、20分くらいかかりますと言われ、なくなく登るのをあきらめた。
ロープウェイの乗り場から見る松山の景色は良かった。
これを松山城頂上から眺めることが出来たらさぞかしきれいだったろうな、と朝寝坊をかなり後悔した。
その後ロープウェイを使い、ふたたび東雲口に戻ってきた。
再びじゃこ天
空港行きバス乗り場まで向かう途中、「無添加じゃこ天」の文字が目に留まった。やはり僕はジャコ天には目が無いのだ。
今食べますか?といわれ、はいと即答。
オーブンであたためてくれたが最高に美味しかった。
毎度写真が下手なのは、なんとかしたいところ。
松山空港
伊予伊予、松山の旅もおしまい。
記念に蛇口から出るみかんジュースを飲む。
うーむ。
三度登場、S君の話になるが、彼の実家はみかん農家だ。
以前、S君の実家から仕送りとして届いた、廃棄みかんを絞ったみかんジュースを飲ませてもらったことがある。
今までのみかんジュースとはなんだったのか、というほど美味しかったのを覚えている。
残念ながら空港のジュースは、その味を越せなかった。
おわりに
というわけで一泊二日の旅程でも、大阪―松山間はそこそこ楽しめる。
今回行けなかったとこも数箇所あったけど、またリベンジしたいと思う。
糸冬